2024.12.18 コラム

はちみつにはどのような種類がある?特徴や選び方を紹介




近年、おいしいうえに健康面でも効果があるとして、注目を集めているはちみつ。

実は、はちみつにはさまざまな種類があり、それぞれ味や風味が異なるのをご存じでしょうか?

今回は、そんなはちみつの種類ごとの特徴をご紹介します。

ご自身にぴったりのはちみつを探す際の足がかりとして、ぜひご活用ください。 

蜜を採る花の違いによるはちみつの分け方





さまざまな種類のあるはちみつですが、大きくは“単花蜜”と“百花蜜”の2種類に分けられます。 

では、その二つにはどのような違いがあるのでしょうか? 



単花蜜



単花蜜とは、その名前からも察せる通り、1種類の花の蜜のみのはちみつのことです。

蜜の採取された時期や場所によって多少の差異はあるものの、基本的にはその花の種類ごとに安定した味わいを堪能することができます。

また採取できる量も多いため、後述する百花蜜より値段が安価です。

なお単花蜜は、1種類の花だけから蜜を採る性質をもつセイヨウミツバチからのみ採取されます。 



百花蜜



百花蜜は、さまざまな種類の花から集められたはちみつで、セイヨウミツバチやニホンミツバチの巣から採取されます。セイヨウミツバチやニホンミツバチは、さまざまな花から少しずつ蜜を集める習性もあるため、異なる花々からの蜜が混ざり合い、豊かな風味を持つはちみつとなります。

はちみつを採取する花の種類は地域や季節によって異なり、その違いが百花蜜の味わいや風味にも反映されます。



国産の単花蜜



ここからは、日本そして世界に存在する多種多様なはちみつを、一つひとつ紹介していきたいと思います。

なお今回は、比較的値段が安価でお求めやすく、種類も多い単花蜜に絞っております。 



最初にご紹介するのは、国産の単花蜜24種類です。 



アカシアはちみつ



アカシアはちみつは、癖がなく甘さもほどよいため、どなたでも食べやすいはちみつです。それゆえに数あるはちみつのなかでも人気が高く、『はちみつの女王』ともよばれています。

その癖の少なさから、ヨーグルトにトースト、ホットティー、料理の隠し味と、どんな用途にもオールマイティに使えます。

初めてのはちみつとしては、まさにうってつけの種類です。

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れんげはちみつ



『はちみつの王様』との異名をもち、アカシアと並んで日本で人気なのがれんげはちみつです。

やさしい甘さとまろやかな味わい、そして奥深いコクが楽しめるれんげはちみつは、アカシアと同じくさまざまな用途で楽しむことができます。

そのまま食べても、もちろんおいしくいただけますが、肉料理や魚料理の隠し味に使うのもおすすめです。 



そばはちみつ



日本を代表する食物であるそば、その花から採れたそばはちみつは、海外、特にフランスでは高級はちみつとして人気を集めています。

その最大の特徴は、なんといっても色味と味。 

暗褐色という印象的な蜜の色に、薬膳的な力強い香り、そしてまるで黒糖かのような濃厚な甘さをもっています。

ガレットなどのフランス料理やスパイス感強めの肉料理などに用いれば、この特徴的な味わいを最大限に活かせるので、ぜひお試しください。

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みかんはちみつ



みかんはちみつは、日本を代表する柑橘系であるみかんの花から採取されるはちみつです。 

そのテイストは非常にさっぱりとしており、香りからも爽やかな柑橘系の雰囲気が漂ってきます。

みかんのフレーバーもほのかに感じられるので、アクセントとして紅茶に入れるのも楽しみ方の一つです。 



きはだはちみつ



きはだとはミカン科の落葉広葉樹で、日本では夏頃になるとブルーベリーくらいのサイズの小さな果実を実らせます。

そんなきはだの花から採れるはちみつは、さっぱりとした甘さが特徴的で、「甘すぎるのは苦手……」という方でも食べやすいものとなっています。 

コーヒーや紅茶に入れてもよいほか、煮物の艶出しとして、みりんの代わりに入れて使うのもおすすめです。



 菩提樹はちみつ



香り高いはちみつといえば、菩提樹はちみつも外せません。

口に含めると、はちみつ本来の甘さのあとに、ハーブのような強い香りを感じられます。

くわえてハッカに近い清涼感もあり、非常にすっきりとした余韻を楽しむことができます。

香りづけとしてお菓子に混ぜるのもおすすめですが、紅茶に入れてよりダイレクトに風味を楽しむのも趣深いですね。

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野バラはちみつ



野バラはちみつは、ほのかに漂うバラの香りが印象的な、エレガントなはちみつです。

丁度よい甘さの奥にある僅かな酸味がアクセントとなり、軽やかな味わいでまとまっています。

ヨーグルトやバタートーストにつけるという王道な楽しみ方はもちろん、ひと息つきたいときに、ミルクティーに混ぜていただくのもよいでしょう。 



ラベンダーはちみつ



ラベンダーといえば、アロマとして用いられるほどに香り高いことで有名ですよね。

ラベンダーはちみつにもその香り高さはしっかりと受け継がれており、コクのある味わいとともに、フローラルなハーブの香りを心ゆくまで感じられます。 

アイスやミルクなどの乳製品と合わせていただくのもよいですが、お菓子作りの際に隠し味として入れてみるのもおすすめです。 



海外産の単花蜜



次は、海外産の単花蜜を紹介します。

日本産だけでも数多くの種類があることがわかりましたが、海外にまで目を向ければ、より多くの単花蜜を見つけられます。 



クローバーはちみつ



世界的に人気なはちみつとしては、まずクローバーはちみつが挙げられます。

癖のないすっきりとした甘さと、やさしく上品な香りをもっており、用途を選ばないオールマイティなはちみつといえます。

どんな料理にも基本的には合いますが、特に紅茶やハーブティーなどに加えれば、その香りがより一層引き立ち、極上のティータイムとなるはずです。 



ヒマワリはちみつ



日本でも花が咲いているのは見られるヒマワリですが、はちみつが採れるのは海外だけなのです。

そんなヒマワリはちみつは花粉を多く含んでおり、はちみつなのに粉っぽさがあるという面白い感覚が楽しめます。強い甘味をもちながらも香りは爽やかで、パンやケーキにかけておいしくいただけます。 



コーヒーはちみつ



コーヒーはちみつは、まさにコーヒーのような濃い赤茶色が特徴的なはちみつです。

甘味だけではなく酸味・苦味を併せもっており、さっぱりとしたやさしい味わいに仕上がっています。

また、蜜源となるコーヒーの産地によってはちみつの味にも違いが出てくるので、ぜひご自身の好みに合ったものを探してみてください。

なお、コーヒーはちみつは、非常に貴重なはちみつの一つとして知られています。

コーヒーの花は開花期間がとても短く、採取可能な蜜の量が少ないためです。

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ローズマリーはちみつ



ローズマリーはちみつをひとたび口に含めれば、爽やかなハーブのような香りを感じられるでしょう。

甘さもほどよく上品で、後味もすっきりとして癖がないので、くどくないはちみつが好みの方にはぴったりです。

紅茶やハーブティーとの相性がよいのは言うまでもありませんが、臭い消しとして肉料理や魚料理に用いても、素晴らしいはたらきをしてくれるはずです。 



加工方法によるはちみつの分け方



はちみつは、商品として加工される際の方法によっても2種類に分けられます。

それぞれの加工方法の違いは以下の通りです



純粋はちみつ



純粋はちみつとは、人の手によって加工されていない、採れた状態のままのはちみつを指します。

一部の商品では加熱処理のみ実施される場合もありますが、それすら行われていない『非加熱のはちみつ』というものも存在します。

ミツバチが集め、その羽で風を起こして水分を飛ばした、まさしく自然の状態のはちみつにほかなりません。

はちみつが本来もつ風味を損なうことなく味わえるのは、この自然な状態のはちみつ以外にないでしょう。

おすすめ:杉養蜂園 純粋はちみつ一覧



加糖はちみつ



はちみつに砂糖や水あめなどを加えたものは、加糖はちみつとよばれます。

色や多少の風味は変わっていないものの、栄養成分はその大半が失われてしまっています。

しかし、そのぶん値段は純粋はちみつよりも抑えられているので、はちみつの風味をお手軽に楽しみたいなら検討してみてもよいかもしれません。 



はちみつの選び方



蜜源となる花の種類だけでなく、加工方法によってもはちみつの種類が分かれるとなると、何を基準に選んでよいのかわからなくなってしまいますよね。

そんな方のために、ご自身のライフスタイルにピッタリなはちみつを選ぶ方法を解説します。 



蜜源となった花の種類で選ぶ



はちみつを選ぶ際にまず検討したいのが、やはりその種類です。

今回ご紹介した通り、どの花から採取されたかによってはちみつの味や香り、色味は変わるものです。

甘味が強いもの・ほどよいもの、癖の強いもの・さっぱりしているもの……その違いは枚挙にいとまがありません。 

それぞれの特徴を把握したうえで、ご自身の好みに合ったはちみつを選びたいところです。



食材に合わせて選ぶ



ここまででも何度か述べてきたように、合わせる食材との相性を考えて選ぶのは、非常に大切なポイントです。

たとえば、紅茶やハーブティーなどに入れるのであれば、豊かな風味を追加してくれる香り高いはちみつがおすすめです。

具体的には、ラベンダーやローズマリーなどのハーブ系のはちみつ、またはりんごやみかん、そのほか柑橘系などのフルーティーなはちみつが該当します。

チーズのような、もともとの風味が強い食材に合わせるときもあるでしょう。

そのような際は、そばはちみつ・くりはちみつといった、癖の強いはちみつを選ぶのが最適です。

もちろん、いろいろな食材と組み合わせることを見越して、癖の少ない万能なアカシアはちみつなどを選ぶ、というのも一つの手です。 



料理に合わせて選ぶ



調味料として料理に用いる際にも、相性が重要になります。

香りの強いはちみつを肉料理や魚料理などに使えば、コクを出しつつ肉の臭みや魚の生臭さを消すことができます。サラダにかけるドレッシングの材料にするのであれば、多少酸味のあるはちみつがうってつけです。

一方で「単に砂糖やみりんの置き換えとして使いたい」「艶出しがしたいだけで味は変化させたくない」といった目的で使いたい場合もありますよね。

そんなときは、甘さがひかえめで風味の強くない、主張が控えめなはちみつが縁の下で活躍してくれるはずです。

このように、作る料理の特徴に合わせて使うはちみつを選べば、そのポテンシャルを最大限に引き出せます。

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産地で選ぶ



また、ニュージーランドならマヌカハニー、ハンガリーならアカシア蜜といったふうに、その国ごとに有名なはちみつの種類はある程度決まっています。

ですので、食べたい種類のはちみつが決まったら、それが有名な産地のはちみつを選んでみてもよいかもしれません。 



食感で選ぶ



「はちみつで食感……?」と思われるかもしれませんが、最近では “巣蜜”という液状じゃないはちみつも存在します。

これは、ミツバチの巣から、はちみつが貯蔵された部分をそのまま切り取ったものです。

普通のはちみつでは味わえないザクザクとした食感があり、お菓子のような感覚ではちみつを楽しむことができます。

少し変わった食べ方に挑戦してみたい方は、ぜひ一度お試しください。

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容器で選ぶ



味に直接関係しない部分ですが、どのような形の容器に入っているかも確認しておきたいポイントです。

蓋先がとがっているボトルタイプなら、パンやヨーグルトにピンポイントで必要な量だけはちみつを出せます。

「使ったあとに液漏れしてべとべとになるのが嫌だ」という方は、逆止弁のついた容器をお選びください。

このように利便性を最優先に考えるのも一案ですが、大切な人にプレゼントとして送る際には、高級感溢れる瓶タイプを選んであげるのもよいですね。 



はちみつに関してよくある質問



最後に、はちみつに関してお客さまからいただくことの多い質問を、3つご紹介します。

はちみつをお求めになる前に、疑問に思われている点や気になる点を解消しておきましょう。 



Q.はちみつの賞味期限はどれくらいでしょうか?



A.純粋はちみつであれば、2~3年は問題なく食べることができます。 



糖度が高いなどの理由から、はちみつは基本的には腐らないとされており、購入から2~3年以内であれば問題なくいただけます。

賞味期限を過ぎていたとしても、適切に保存ができていればすぐに食べられなくなることはありません。

ただし、風味や味わいは損なわれるので、おいしく食べきりたいのであれば賞味期限を守りましょう。

また、口に入れたスプーンや指を容器に入れると、そこから雑菌が繁殖し、はちみつといえど腐ってしまう可能性があります。

はちみつを食べる際は、常に清潔なスプーンを使用し、水分や唾液が入らないように注意することが大切です。 



Q.はちみつは常温で保存できますか?



A.はい、常温で保存可能です。 



先述した通り、純粋はちみつは保存性が非常に高いので、衛生管理さえ十分であれば常温で問題なく保存できます。

そのため、冷蔵庫に入れる必要はありません。

むしろ、冷蔵庫から出し入れする際の急激な温度変化によって、後述する結晶化の発生につながる可能性すらあるので、冷蔵庫での保存は避けるべきといえます。 



Q.はちみつが白く固まってしまったのですが、問題ありますか?



A.品質や安全面の観点ではなにも問題はありません。 



はちみつが白く固まるのは、はちみつに含まれるブドウ糖の結晶化によるものです。

見た目や食感は変わってしまいますが、品質が劣化したわけではないので、ただ食べるぶんには支障ありません。「そうは言ってもやっぱり気になる」という場合は、40〜47℃ほどのお湯で、はちみつを容器ごと湯煎しましょう。

菜箸などでかき混ぜながら温めれば、徐々に結晶化したはちみつが溶けていくはずです。

また、以下のポイントに注意してはちみつを保存すれば、結晶化するのを事前に防げます。 

はちみつの結晶化を防ぐためのポイント



・直射日光があたらない場所で保存する

・冷蔵庫や電子レンジなど、振動するものの近くに置かない



ブドウ糖の結晶化が発生する原因の一つとして挙げられるのが、気温の変化です。

先にも挙げた冷蔵庫での出し入れはもちろん、直射日光が当たるというのも気温が変化しやすい条件に該当します。だからこそ、はちみつは日光が直接当たらない場所で保存する必要があるのです。

くわえて、細かな振動が伝わることでも結晶化が進むので、稼働時に振動する家電の近くにはちみつを置くのもおすすめしません。 



はちみつにはさまざまな種類があり、それぞれに異なる味わいや風味がある



今回は、国内外に存在する多種多様なはちみつの特徴、そして選び方などを紹介しました。

はちみつは単花蜜と百花蜜の2つに分けられ、また単花蜜は蜜源となる花の種類によってさらに細かく分類されます。

種類ごとに甘味の強さや風味の豊かさ、相性の良い食材・料理などがまったく異なるので、試食したうえでご自身にあったものを選ぶことが大切です。 



はちみつ専門店 杉養蜂園では、今回ご紹介したものの一部も含めて、国内外問わずさまざまな種類のはちみつを取り扱っております。 

初めてご利用する方向けにお買い物ガイドも用意しておりますので、ご興味がありましたら、ぜひ当社の通販サイトをご利用ください。



 

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